キトキトな魚と豊かな海づくりを目指す 富山県 氷見漁業協同組合

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2012年4月 氷見鰯 「ひみ寒ぶり」に匹敵する「氷見鰯」!! 氷見と言えば「ひみ寒ぶり」。しかし「氷見鰯」も負けず劣らず全国的に名が知られており、「広辞苑」にも「氷見鰯」が載っているほど有名です。イワシは大きな群れで行動しているため、一度網に入ると大漁に水揚げされるので、他の魚がほとんど網に入らない特徴があるとともに、鮮度が落ちやすい魚としても知られています。しかし氷見で獲れた魚は昔から「沖氷」(魚が獲れてからすぐに沖で氷水で〆ること)をしっかりしているため、鮮度が落ちやすいイワシでも、しっかりとした鮮度を保って市場に水揚げされます。イワシには大きく分けてマイワシ(左上)、カタクチイワシ(右下)、ウルメイワシの3種類があり、いま現在、氷見ではマイワシとカタクチイワシが中心となって水揚げされています。マイワシについては、昭和時代大漁に水揚げされ養殖魚の餌として安値で取引されていましたが、約10年ほど前から水揚げが激減して「幻の鰯」として高級魚のイメージがついてきました。しかし今は少しずつ水揚げも回復してきており、魚やスーパーなどでも「氷見産」のマイワシを目にすることが増えてきました。さて、食のほうですが、生でも、焼いても、煮ても、干物にしてもよく、いろいろな食べ方があります。ぜひ一度買ってみて、自分流の調理方法で食べてみてもおもしろいのでは……。

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2012年5月 サヨリ 氷見魚市場では、4月に入ってから氷見鰯、スルメイカの水揚げが多いですが、小型定置網、地曳網を中心にサヨリが揚がり始めています。氷見では、20数年前まではサヨリ船曳漁法(2隻の網船が平行に並んで網をひいて捕獲する漁業)が盛んに行われていて30組以上が操業していました。ただ、ここ最近は徐々に減ってきています。定置網や地曳網での漁獲量は少ないですが、地元ではすごく愛されていて、刺身はもちろん、小さいものは干物にして食べたりもします。余談ですが、サヨリを調理する時、腹の中に注目してみてください。ワタを取り出した後には黒々した膜が張っています。ほっそりとした銀色の魚体の美しさとは対照的です。「サヨリのような人」と書き、「(見た目はいいが)腹黒い人」と例えられる由縁です。旬を迎えるサヨリをぜひ食べてみてください。その腹黒さと裏腹(?)に、甘みがあって、淡白で透明感のある身は絶品です。

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2012年6月 クロダイ、アカダイ 氷見魚市場で5月の魚といえばクロダイ、アカダイです。クロダイは産卵期を迎えて浅い沿岸域に近寄ってくる習性があるので、磯の小・中型定置を中心に水揚されています。アカダイは同じ産卵期ですが、クロダイより深いところを好み沖の中・大型定置で多く水揚されています。クロダイは、時に川を登ることもある行動から「川鯛」と呼ばれ、市場関係者に親しまれています。また、この時期になると力強い引きを楽しみに氷見の各漁港や堤防には多くの釣り人を見かけます。釣り人が求める魚としてもクロダイ、アカダイは人気が高いです。タイ類はさまざまな食べ方で舌を楽しませてくれる魚です。刺身や焼き物、煮付け、味噌汁、鯛めしと挙げればきりがないです。その中でも甘みがあり弾力のある身は刺身で食べるのが一番美味しいです。そしてこの時期ならではの、タイの白子や真子に舌鼓してみてはいかがでしょうか。最高です!!

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2012年7月 白鱚 「鱚」魚偏に喜ぶで「キス」!! 氷見魚市場では6月に入り、「白鱚」の姿が見られるようになりました。キスは全国的に名のしれた魚ではありますが、氷見漁協においては統計にのらないごくわずかな漁獲量で、旬(5月から7月)といってもなかなか、まとまって姿を見ることが出来ない魚でもあります。「白鱚」は砂場を好む魚で、氷見といえば定置網漁法ですが、定置網漁法よりもっと水深の浅い地引網漁法で主に水揚げされ、貴重かつ繊細な魚として取り扱われております。さて食のほうですが、スーパーや魚屋などではほとんど姿を見ることがなく、漁業関係者でさえもなかなか口に出来ない魚であります。キスといえば「天ぷら」。そう、天ぷらの代表的な魚であり小料理屋などでしかなかなか氷見産キスを食べることは出来ません。もし機会があれば「氷見産鱚天ぷら」を食べてみて、魚の喜びを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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2012年8月 汐の子(平政) 氷見魚市場で7月に入り「汐の子」が揚がり始めました。氷見では平政(ヒラマサ)のことを「汐の子」と言い親しまれています。今年は1㌔前後のサイズが多く見られ、20㌔以上の大物も漁獲量は少ないですが揚がっています。「汐の子」はよくブリ類と見間違えますが、特徴としては魚体の真ん中に鮮やかでしっかりとした黄色いラインが入っていて平たいボディーをしています。氷見では「汐の子」は刺身でよく食べられています。身はブリ類よりもあっさりしていてコリコリとした食感があり、甘みや旨みがしっかり詰まっていて一度食べるとやみつきになります。他には焼き物やフライ、煮付けにしてもおいしくいただけます。「汐の子」とブリ類を食べ比べると面白いですよ~!!!

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2012年9月 片口鰯(小) 氷見魚市場では夏になると、磯の小型定置網で小さい「片口鰯(カタクチイワシ)」が水揚げされています。大きさは5㌢くらいです。例年は7月上旬から揚がり始めますが、今年は8月の中旬から漁獲されています。この小さい片口鰯は、素干しした乾物に活用されています。昔は、田畑の肥料に乾燥したイワシを使ったことから、田を作る魚で「田作り」との呼び名が付きました。正月のおせち料理で豊作の縁起物として、今でも欠かせない食材です。氷見は水産加工屋さんが多く、古くは江戸時代からこの「田作り」が作られてきました。こんなに小さな魚ですが、氷見の漁業、農業、水産加工業を大昔から支えた力はとても大きなことだと思います。みなさん、正月にはこの小さな命に感謝して、ぜひ「田作り」を食べましょう。

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2012年10月 ノドグロ・クロムツ 超高級魚「ノドグロ」VS「クロムツ」!! 氷見魚市場では8月頃より「ノドグロ」&「クロムツ」の姿が沖刺網漁法を中心に多く見られるようになりました。もともと漁獲量は、ごくごくわずかで超貴重かつ超高級な魚であり、一日数十尾程度の水揚げしかありません。さてノドグロ(左上)の特徴といえば、なんといっても赤々しい魚体。大きな大きな目玉。そして名前の由来どおり「のどが黒い」。この3点です。それに比べてクロムツ(右下)の特徴は、黒々とした魚体。大きな大きな目玉。そして鋭い歯。この3点でしょう。両魚とも、水深100㍍以上の深海を生息地としており、8月ごろから産卵のため浅瀬に寄ってきます。さて食のほうですが「旨味脂(うまみあぶら)」が凄く、まずは「最高」の一言でしょう。焼いても煮ても刺身にしてもとにかく脂が凄く、美味の魚でありますが、魚屋やスーパーなどにはほとんど出回ることがなく、お寿司屋さんや料亭でしか、なかなか食することは出来ません。もし「ノドグロ」&「クロムツ」を同時に食す機会があれば食べ比べてみて、両方の「旨味脂」を体験してみてはいかがでしょう。

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2012年11月 シロカワカジキ 氷見魚市場では7月の中旬から「シロカワカジキ」が揚がっています。バショウカジキとともに到来し10月下旬頃まで水揚げされます。今年は例年にないくらいの水揚げで、市場関係者は口をそろえて「今年はなんちゅでかいとおるのー」と言っています。7月から10月の漁獲本数は237本で昨年、一昨年の3倍以上の水揚げでした。とくに8月は70本超え、10月は90本超えを記録しました。魚体の特徴としては角が長く可愛い目をし、角から尾まで続く黒光色、その下の光り輝く銀光は、目を見張る輝きでカッコいいです!!魚体は80㌔前後のものが多く、100㌔、200㌔超えのものも揚がります。見た目以上に重量感は凄いです!! 食では刺身で食べると最高に美味しいです。脂がのって、身がしまり、噛むごとに旨みが増します。そして、地元で愛されている昆布〆で食べるとまた違った味わいがあり絶品です。お勧めします!!

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2012年12月 ソデイカ 氷見魚市場では「ソデイカ」が揚がっています。今年は例年では考えられないくらいの水揚げで、サイズの大きいものが多く20キロを超える巨体のものもいます。氷見ではカンノンイカやタルイカと呼ばれ、親しまれています。イカ類の中では成長力は半端ないです。また、砂浜に生きたまま打ち揚がったりします。散歩中に見つけたらラッキーですよ。探してみてください!! ソデイカはモチモチですごく食べ応えがあります。主に刺身や天ぷら、イカ団子で食べられています。小さいものは短冊状にし、干し物として地元で食べています。一度冷凍すると柔らかくなるそうです。みなさんスーパーなどで見つけていろんな料理にチャレンジしてみてください。

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2013年1月 ひみ寒ぶり 今年もこの季節が来ました!! 氷見魚市場では、去年より6日早い、11月20日(火)に「ひみ寒ぶり宣言」をおこないました。12月に入ってからは毎日1,000本以上水揚げされる日が続き、12月31日現在で43,624本の水揚げとなりました。去年度のひみ寒ぶり期間の累計本数47,279本を大きく上回るペースでの水揚げで市場関係者は喜んでいます。さらに1月に入ってからも、サイズが少し小さくなりましたが、まとまった水揚げが続いています。今年度も昨年同様、一尾に一枚、販売証明書を発行し統一の青箱にいれ出荷しています。販売証明書は平成24年度版にし、左上にミシン目を入れ、インクを黒から青に変更しました。今年は年明けから小ブリの水揚げが好調なこともあり、魚屋やスーパーなどで見かけることが多いと思います。ブリは頭から尻尾まで余すことなく味わえるので、一尾丸ごと購入し堪能してみてはいかがでしょうか。中でも、カマの塩焼きは脂がのり絶品です。最上級の味覚に舌鼓してみてください。

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2013年2月 真鱈 氷見魚市場では「真鱈」が揚がっています。例年より漁獲量は少ないですが定置網漁業や沖の刺し網漁業で1月上旬から多く見られるようになりました。鱈は漢字で魚偏に雪と書くように、寒い冬には欠かすことのできない代表的な魚です。冬の鍋の食材として“鱈”と思い浮かぶように、鱈汁は地元でも愛され親しまれています。他にも煮物やムニエル、刺身などで食べられています。白子と真子は美味で、白子はお汁や酢の物、天ぷら、白焼きで、真子は甘辛く煮て食べると最高の味わいが楽しめます。今が旬の鱈を一尾丸ごと購入しいろいろな料理で堪能してみてはいかがでしょうか。冬の味覚を是非ご賞味下さい。

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2013年3月 マイワシ(大中羽) 氷見魚市場ではマイワシが例年より早く2月上旬から定置網で水揚げされています。マイワシのことを氷見では大羽、中羽、小羽(サイズ訳)と呼び春を告げる魚の一つになっています。今年は大羽、中羽が中心で2月、3月の漁獲量は昨年を大きく上回っています。氷見でマイワシは平成13年頃からほとんど見られなくなりましたがここ数年前からは水揚げが伸び、市場関係者も喜んでいます。マイワシは大きく丸々とし、脂の乗りもよく食べると最高の味わいで、刺身をはじめ焼き物、煮物、干物などさまざまな料理で楽しませてくれます。そして他の魚よりもEPA、DHAといった栄養素がずば抜けて多く体にも良い魚です。ここ近年では最高のマイワシを是非堪能してみて下さい!!!
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